吉野工務店
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道具と刃物25 / 30

台鉋が伝わる前は、槍鉋で面を仕上げた

今の長方形の台鉋が日本で使われ始めたのは室町時代の中頃とされる。それまでは、笹の葉の形の刃を柄の先に付けた槍鉋で、木の表面を削って仕上げていた。

理由

日本では昔、槍鉋と呼ばれる槍の形の道具で木の表面を削っており、台鉋が導入されたのは室町中期頃と考えられている。ユーラシア大陸の東の「ヤリカンナ文化圏」で台鉋が使われ始めたのは13〜14世紀頃と推定される。

槍鉋は、斧や釿で荒く削った後の仕上げに使われた。長い柄を両手で握り、手前に引いて、あるいは押して削る。削った面には凹凸ができる。法隆寺の柱が槍鉋で仕上げられたことはよく知られ、昭和には西岡常一棟梁がこの道具を復元した。

槍鉋が廃れた理由として、木目の通った檜などの割り材が減り、鋸で挽いた材が主流になったことが挙げられる。木目が断ち切られた挽き材の面も均一に平らにできる台鉋のほうが、仕事に合っていたとされる。

現場では

  • 槍鉋の刃は反りがあり、刃先と元で角度が違う。研ぐときは場所ごとに角度を合わせる。
  • 槍鉋の削り跡は平らにならない。平滑さが要る面には台鉋を使い、風合いを残したい面に槍鉋を使う。