伐る時期20 / 30
伐った木は、使う前に時間をかけて乾かす
伐ったばかりの木は多くの水を含んでいる。製材した材を風の通る場所に積み、自然の温度・湿度と風でゆっくり乾かしてから使う。これを天然乾燥という。
理由
伐ったばかりのスギの含水率は多くが100%を超え、200%以上も珍しくない。水は空気中に抜けていき、細胞の内腔にある水(自由水)がなくなる繊維飽和点(含水率約30%)を過ぎると木は縮み始め、最後は周りの湿度と釣り合う平衡含水率(日本ではほぼ14〜16%)に落ち着く。縮み方は向きで違い、スギでは接線方向3.5%、放射方向1.1%、軸方向0.03%ほどで、この差が割れや反りを生む。
乾かないまま建てると、あとで梁が縮んで床が下がる、柱が縮んで壁に亀裂が入る、床板にすき間が出るといったことが起きる。乾かした材は寸法が落ち着き、軽くなり、腐朽菌や虫にも強くなる。スギ平角材の試験では、含水率が30%前後の繊維飽和点を下回るあたりから動的ヤング係数が上がり始め、乾燥によって強度性能が増すことが確かめられている。
天然乾燥は装置がいらず費用が安く、材の色も変わりにくい。反面、時間がかかり、天気に左右され、心持ちの柱では材面割れが多くなりやすい。雨の当たらない屋外で羽柄材を乾かしたところ、含水率20%以下になるまで、春に始めたもので約3か月、冬に始めたもので約5か月かかった。
現場では
- 桟積みは年間の風向きを考えて組み、北陸のように雨や雪の多い地域では屋根のある場所で行う。桟木の間隔を詰め、重しを載せると、反りや曲がりをある程度抑えられる。
- 乾き具合は日数でなく含水率で判断する。JASの構造用製材には含水率15・20・25%の区分がある。
- 天然乾燥にかかる日数は、材の寸法・季節・置き場で大きく変わる。自分の置き場での乾き方を記録しておく。