道具と刃物23 / 30
刃物の切れは研ぎで決まる
鑿や鉋の切れ味は、日々の研ぎで保たれるという考え方。荒砥・中砥・仕上砥と段階を踏み、刃裏を平らにし、切刃を整えて初めて刃物は切れる。
理由
刃物の研ぎは段階を踏む。荒砥で荒く研ぎ、中砥で正しい刃の形に整え、仕上砥で切刃を鏡のように仕上げる。これとは別に、刃裏を金盤と金剛砂で平らに研ぎ出す「裏押し」があり、刃物がまっすぐ切れるためには欠かせない作業とされる。切刃の角度はおおよそ30度に整え、軟らかい材には少し鋭く、硬い材には少し鈍くすることがある。
刃先は使えば必ず減る。木材切削では、切れ刃の摩耗が進むにつれて切削抵抗や加工面の品質が変わり、それらが一定の基準に達したところを工具の寿命として扱う。切れが落ちたら研ぎ直す、という現場の手順は、この性質に沿ったものである。
ただし、切れは研ぎだけで決まるわけではない。鉋は、刃先の手入れに加えて鉋台の調整にもかなりの熟練が要る道具である。研ぎは切れを保つ土台であり、鉋では台の調整も同じように腕の要るところである。
現場では
- 研ぐ前に刃裏を見る。刃先の裏に平らな面が残っていなければ、切刃より先に裏を整える。
- 切刃を研いで刃裏にかえりが出たら、仕上砥で表と裏を交互に研ぎ、かえりが消えるまで続ける。
- 削る材の硬さで切刃の角度を少し変える。軟らかい材は鋭く、硬い材は鈍く。