木を読む9 / 30
年輪の詰んだ木は強いとされる
年輪の間隔が狭い木は密度が高く強い、と現場では言われる。針葉樹ではある程度あてはまるが、詰みすぎた材や広葉樹の一部では逆になり、年輪幅だけで強さは決まらない。
理由
針葉樹では、年輪幅が広がると密度が下がる傾向がある。スギでは、年輪幅がある幅までは密度がほぼ変わらず、それより広くなると晩材の幅は変わらないまま密度が下がるとされる。曲げ試験でも、密度と曲げ強度には相関があり、カラマツでは、年輪幅の狭い辺材のほうが心材より曲げ強度が高い傾向だった。
ただし、詰んでいれば強いとは限らない。ヒノキでは、年輪幅の狭い辺材のほうが曲げ強度は低い傾向だった。年輪が極端に狭い材では、強さを担う晩材の幅まで狭くなって密度が下がり、強度が落ちたと考えられる例もある。広葉樹のケヤキでは逆に、成長がよく年輪幅が広いほど比重が高く重硬になるとされる。
丸太1267本を測ると、平均年輪幅とヤング係数の間に相関は見られたものの、ばらつきが大きく、年輪幅からヤング係数を推定するのは難しかった。ヤング係数の大小は年輪幅より品種の特性によるところが大きく、丸太の強さを振動で測って区分する方法が実用的とされる。
現場では
- 針葉樹で年輪幅の広い材は、密度が低く強さが劣る場合があると見込む。
- 年輪の詰み具合だけで強さを決めない。梁など強さの要る材は、ヤング係数の表示や測定値で確かめる。
- ケヤキなどの広葉樹には、針葉樹の「詰んだほうが強い」という見方をそのまま当てはめない。