建て方29 / 30
木の癖組みは、工人たちの心組み
木の癖を読んで組み上げるには、それを組む大工たちの心がひとつにそろっていなければならない。木組みの出来は、人の組み方で決まるという口伝。
理由
法隆寺の宮大工・西岡家に伝わる口伝は、「堂塔の木組は木の癖組」に続けて「木の癖組は工人等の心組」とし、さらに「工人等の心組は匠長が工人への思やり」と続く。木を癖で組むことから、人の心を組むこと、そして棟梁の思いやりへと、話が順に移っていく。
西岡常一は著書『木に学べ』で、工人の心を組むには棟梁に思いやりがなければならず、未熟な者も受け入れて一人前に育てるつもりで接しなければ心は通わない、という趣旨を語っている。口伝には「百工あれば百念あり。一つに統ぶるが匠長が裁量也」という一文もあり、大勢の職人の考えをひとつにまとめることを棟梁の器量としている。
これは現場を束ねる者の心得を述べたもので、科学的な検証は確認できていない。
現場では
- 口伝の順番どおり、木の癖を組む前提として、組む人たちの考えをそろえておく。
- 職人ごとに考えが違うことを前提にし、それをひとつにまとめることを棟梁の務めと考える。
- 未熟な者も受け入れ、一人前に育てるつもりで接する。