建て方30 / 30
伽藍は四神相応の地に建てる
寺の伽藍を建てる土地は、東西南北の四方に四神にあたる地形がそろった場所を選ぶ。法隆寺の宮大工・西岡家に伝わる口伝のひとつ。
理由
四神相応は風水思想の一部で、四方の山や川、沢などの地形を東の青龍・西の白虎・南の朱雀・北の玄武に見立て、その形がそろう地を吉とする考え方である。よく知られる「東に流水、南に沢、西に大道、北に高山」という具体的な地形の当てはめは、安倍晴明に仮託された『簠簋内伝』に見られる。
平安京が四神相応の地だから選ばれたという説は、選定当時の史料からは確認できず、都ができた後に四神の「見立て」がなされたと考えられる。平城京の遷都の詔には「四禽図に叶い」という句があるが、多くが『隋書』を下敷きにしており、これだけを根拠にはできない。
四神相応は吉凶の思想であり、その地に建てた建物が長持ちするといった科学的な検証は確認できていない。
現場では
- 口伝の四神の見立ては、東に流れ、南に沢や池、西に大道、北に高い山という組み合わせとして知られる。
- 平安京でも、土地が決まった後に四神の見立てがなされたと考えられる。口伝は、地形そのものより、その地をどう見立てるかという考え方として受け取る。
- 四神相応は吉凶の思想であり、地盤や水はけの良し悪しを確かめる方法にはならない。