吉野工務店
← 大工の知恵一覧

木を使う14 / 30

曲がった梁は、曲がりの山を上にして架ける

丸太梁や太鼓梁のように曲がった材を梁に使うときは、曲がりの山を上にし、真ん中が持ち上がる向きで架ける。上から掛かる屋根や床の重さに、曲がりで向き合う使い方である。

理由

伝統的な木組みでは、曲がった材を捨てずに、曲がったなりに真ん中を張らせて上向きに使い、上からの重みに耐える梁として仕込む。大きな空間ほどこの組み方が活きる。

工学の側にも、近い考え方がある。集成材の梁では、荷重で下がる向きと逆向きの反り(キャンバー)をあらかじめ付けて、見込まれるたわみを打ち消すことがある。長い集成材の梁では、掛かり続ける荷重によるたわみの扱いが設計上の課題になり、キャンバーは、たわみを打ち消して建物の見た目と構造を長く保つ手段になる。

ただし、キャンバーはたわみを打ち消す工夫であり、梁の強さを上げる話ではない。曲がった丸太を上に凸に使うと強さが増すかは試験で比べられておらず、その点の科学的な検証は確認できていない。

現場では

  • 曲がった材は、架ける前に曲がりの山がどちらにあるかを確かめ、山が上に来るよう印を付けておく。
  • 山を上にしても、たわみを見込んだ寸法の検討は別に要る。曲がりがあるから強いと決めてかからない。