建て方27 / 30
柱は礎石の上に据えて立てる
土台を設けず、柱の足元を礎石の上に乗せて建物を立てる。柱脚を基礎に緊結しないこの建て方を「石場建て」と呼ぶ。
理由
伝統構法の町家・農家・社寺では、土台を設けず、柱脚を礎石に乗せただけの石場建ても多い。継手・仕口も金物を使わず木組みでつくる。石場建ては耐久性に優れ、この形で建てたいという強い要望がある。
一方、建築基準法施行令の木造の仕様規定(施行令第3章第3節)は、土台と基礎、柱脚の緊結を求めている(令第42条)。金物を用いない伝統的な柱脚は仕様規定に適合しないことが多く、高度な構造計算で安全を確かめる必要があった。2000年に導入された限界耐力計算を使えば仕様規定の適用を除外でき、石場建ても合法的に設計・建築できるようになった。
石場建ての設計では、ごくまれに起きる大きな地震で柱脚が礎石の上を滑ることを前提に、滑る量を計算して、柱脚が礎石から落ちないようにする。
現場では
- 礎石に乗せるだけの柱脚は仕様規定に当てはまらないことが多く、限界耐力計算などの構造計算で安全を確かめる(確認申請が要るかどうかは、建てる場所と規模で決まる)。限界耐力計算による場合、小規模な住宅でも構造計算適合性判定の対象になるとされる(2021年時点)。法改正があるため、最新の扱いは申請先で確かめる。
- 2016年6月施行の国土交通省告示第690号で、柱脚を基礎に緊結しない接合方法が加わった(令第42条第1項第3号に基づく)。ただし、直径11mmの鋼材のだぼを基礎に緊結し、小径105mm以上の柱に90mm以上埋め込むなどの仕様に加えて、柱に構造耐力上支障のある引張応力が生じないことを、告示の定める方法(柱が45mmまたは120mm浮き上がってもだぼが外れないことの確認を含む)で確かめることが条件で、礎石に置くだけの納まりとは別のものである。
- 石場建てにする場合は、足固めや地貫を設けて柱脚どうしをつなぎ、各柱脚がばらばらに動かないようにする。